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41 幻(大島本)


光る源氏の准太上天皇時代五十二歳春から十二月までの物語

この帖の主な登場人物
登場人物読み呼称備考
光る源氏 ひかるげんじ ナシ 五十一歳
蛍兵部卿宮 ほたるひょうぶきょうのみや 兵部卿宮
源氏の弟
女三の宮 おんなさんのみや 入道の宮
源氏の正妻
匂宮 におうのみや 三の宮
若宮
味や
今上帝の第三親王
明石の中宮 あかしのちゅうぐう 后の宮 今上帝の后
明石の御方 あかしのおおんかた 明石
源氏の妻
花散里 はなちるさと 夏の御方 源氏の妻
夕霧 ゆうぎり 大将の君
大将
大将殿
源氏の長男

第一章 光る源氏の物語 紫の上追悼の春の物語

目次 和歌

第一段 紫の上のいない春を迎える
わが宿は花もてはやす人もなし
何にか春のたづね来つらむ
香をとめて来つるかひなくおほかたの
花のたよりと言ひやなすべき

第二段 雪の朝帰りの思い出
憂き世には雪消えなむと思ひつつ
思ひの外になほぞほどふる

第三段 中納言の君らを相手に述懐

第四段 源氏、面会謝絶して独居
植ゑて見し花のあるじもなき宿に
知らず顔にて来ゐる鴬

第五段 春深まりゆく寂しさ
今はとて荒らしや果てむ亡き人の
心とどめし春の垣根を

第六段 女三の宮の方に出かける

第七段 明石の御方に立ち寄る

第八段 明石の御方に悲しみを語る
なくなくも帰りにしかな仮の世は
いづこもつひの常世ならぬに
雁がゐし苗代水の絶えしより
映りし花の影をだに見ず

第二章 光る源氏の物語 紫の上追悼の夏の物語

目次 和歌

第一段 花散里や中将の君らと和歌を詠み交わす
夏衣裁ち替へてける今日ばかり
古き思ひもすすみやはせぬ
羽衣の薄きに変はる今日よりは
空蝉の世ぞいとど悲しき
さもこそはよるべの水に水草ゐめ
今日のかざしよ名さへ忘るる
おほかたは思ひ捨ててし世なれども
葵はなほや摘みをかすべき

第二段 五月雨の夜、夕霧来訪

第三段 ほととぎすの鳴き声に故人を偲ぶ
亡き人を偲ぶる宵の村雨に
濡れてや来つる山ほととぎす
ほととぎす君につてなむふるさとの
花橘は今ぞ盛りと

第四段 蛍の飛ぶ姿に故人を偲ぶ
つれづれとわが泣き暮らす夏の日を
かことがましき虫の声かな
 「 夜を知る蛍を見ても悲しきは
時ぞともなき思ひなりけり

第三章 光る源氏の物語 紫の上追悼の秋冬の物語

目次 和歌

第一段 紫の上の一周忌法要
七夕の逢ふ瀬は雲のよそに見て
別れの庭に露ぞおきそふ
君恋ふる涙は際もなきものを
今日をば何の果てといふらむ
人恋ふるわが身も末になりゆけど
残り多かる涙なりけり
もろともにおきゐし菊の白露も
一人袂にかかる秋かな

第二段 源氏、出家を決意
大空をかよふ幻夢にだに
見えこぬ魂の行方たづねよ
宮人は豊明といそぐ今日
日影も知らで暮らしつるかな

第三段 源氏、手紙を焼く
死出の山越えにし人を慕ふとて
跡を見つつもなほ惑ふかな
かきつめて見るもかひなし藻塩草
同じ雲居の煙とをなれ

第四段 源氏、出家の準備
春までの命も知らず雪のうちに
色づく梅を今日かざしてむ
千世の春見るべき花と祈りおきて
わが身ぞ雪とともにふりぬる
もの思ふと過ぐる月日も知らぬまに
年もわが世も今日や尽きぬる
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